2012年2月アーカイブ

円高デフレ

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 私が海外でよく受ける質問に「東京の物価は高くて驚くが、どうやって生活しているのか?」というものです。
 その時に私はいつも「それがわからないから、こうしてアメリカで生活している」と返答しています。

 私は日本で円高を考慮しないで使っていますが、今の為替レートで換算しますと物価が高過ぎてなにも買えなくなってしまいます。もし私が日本人でなかったら、たぶん日本を素通りしているかと思う。
 海外を飛び回っていますと自然に為替レートとその国の物価に敏感になります。私がパリやロンドンを敬遠するのは物価高がおおいに関係しています。私はかつてイタリアで実生活から乖離した異常な物価高に驚き、この国の経済危機を感じとっていましたが、今そうなっています。
 2月に
イギリスのエコノミスト誌の調査で、世界で最も生活費のかかる都市のランク付けが発表になりました。年2回行われるこのランキングは、世界131の都市を対象に、食品、衣類、家賃、光熱費、交通費、学費など万品目の単価を調べ、その国の通貨レートを考慮し、ニューヨークを100として算出して指数の高い順にランク付けされています。
 
今回位がチューリヒで、EUの金融不安からスイスフランの高騰により5位から急上昇して、東京は位に後退。位はジュネーブ、4位は大阪・神戸、5位はオスロ、6位はパリ、7位はシドニー、8位メルボルン、9位はシンガポール、10位はフランクフルトとなっています。北アメリカでは、カナダのバンクーバーが37位、ロスアンゼルス42位(上海、モスクワも同位)、ニューヨークは47位でした。中国関連では香港が22位、北京が51位になっています。
 東京は常連の上位ランクになってますが、それでも日本経済の停滞はデフレにあるとしてインフレを煽っていますが、どうも納得がいかないでいます。インフレでさらに物価高になれば、世界市場から浮き上がってしまい、ギリシャ、イタリアの二の舞になりはしないかと危惧しています。今度は私が「東京はどうやって生活して行くのか?」と質問したくなります。
 私はマクロ経済にうとく、現場におけるミクロ経済の感触でしか判断できませんが、日本経済の停滞はデフレにあるのでなく、物価高にあると考えています。別にインフレを扇らなくても為替レートを120円に戻すだけで経済は活気づくことと思う。実体経済の現場からみれば日本円の実力は120円程度です。このままでは日本企業の海外移転が加速し日本は空洞化と失業で破綻してしまいます。
これは金融為替だけの円高でして、実体経済は87円ほど強くないことは、製造業の苦境をみれば明らかです。どうみてもこれは企業努力を越えています。当面120円はともかく、少なくても100円前後により戻すべきかと考えます。
 さて、それでは明日から2月いっぱい、47位の物価的には住みやすいニューヨークから、2位の東京を経由し、42位の上海とアモイへ出かけてきます。

超新星アデル

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 今日もアメリカ「3つのS」の書き込みになります。
 12日に第54回
グラミー賞の授賞式が開催されました。会場は2日前に亡くなった世界的歌姫ホイットニー・ヒューストン追悼ムードで始まりましたが、ステージの方ではイギリス出身のシンガー・ソングライターのアデルが、最優秀アルバム、最優秀楽曲など6冠を獲得して、世界の歌姫として認知されました。昨年アデルは喉からの出血を繰り返して手術を受けたといいますが、この日は受賞曲「ローリング・イン・ザ・ディープ」を、熱唱して健在ぶりを披露しました。
 トホホのおじさん、このグラミー賞までアデルを知らなかったが、
19才でのデビュー・アルバム「19」が、イギリスでヒット・チャート1位となり、すでにこのグラミー賞の新人賞を獲得していました。ついで21才の時にセカンド・アルバム「21」が、アメリカをはじめ全世界19カ国で位を獲得していました。今年は「23」でもリリースするのだろうか。
 
ホイットニー・ヒューストンが、不滅の名曲「I will always love you」を残して逝かれ、次のスターが「Rolling in the Deep」から産まれてきました。ショービジネスで成功することは大変だと思うが、成功を維持して行くのも大変なことだろうと思う。ホイットニー・ヒューストンの澄んだ天使の美声は薬物使用ですでに萎えていたし、アデルにしても喉の傷みからとうぶん恋に専念すると、5年間の休養を匂わせています。スターは超新星として最も輝きを増す時、その天命を受けておおいに光り輝けばいい。
 今日ホイットニー・ヒューストンは産まれ故郷ニュージャージ州の教会へ帰り、静かに密葬が行われるという。かって彼女が聖歌隊で歌っていた教会に追悼曲が流れ、彼女はスターとして蘇っていることと思う。

 教会は私の家から車で15分ほどの所に在り、
I will always love you.が響いてくるかのようです。

追記;
ホイットニー・ヒューストンは私の町のお墓に(家から車で5分)眠るそうです。
             Bittersweet memories     that is all I'm taking with me.
             So, goodbye. Please, don't cry. 
             We both know I'm not what you, you need.
             And I will always love you.

3つのS

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 2月8日付けブログに、アメリカの「3つのS」を記したが、しみじみそう感じさせる季節になっています。
 スクリーンでは1月24日に今年のアカデミー賞のノミネート作品が出そろい、2月26日にどの作品が受賞するかが話題となっています。近年のハリウッド映画はCGを使ったハイテック特撮の流れにあるが、流れに逆らい時代錯誤にも、白黒サイレント映画「The artist」が抜きん出て本命視されているとは、何とも皮肉な話しです。私もさっそく見たく思っています。
 スポーツでは野球(MLB)のワールドシリーズが終わると、フットボール(NFL)のスーパーボールとなり、ついでバスケットボール(NBA)、そしてアイスホッケー(NHL)と、四大スポーツの四季が続き、スポーツファンを1年中忙しくさせています。「ギャラップ」世論調査による人気では、フットボールが41%、野球が10%、バスケットが9%、アイスホッケーが4%、野球が以外にも低く、サッカーはふるわず3%の5位になってます。
 目下バスケットボールが佳境シーズンを迎えていて、その時に合わせたかのようにしてニュースターが産まれ大きな話題になっています。バスケットボール界では、アジア系にはいいプレーヤーがいないというのが定説になっていて、全く期待もされずドラフトの補欠の補欠、5番目に超安価でスカウトされた中国系アメリカ人、ジェレミー・リン(林書豪)が、2月に入ってこれまでの偏見を打ち破り予想外のヒローになってしまった。監督も負け試合にお情けで彼を起用したところ、そのチャンスに大活躍して瞬く間にスタープレーヤーに化けてしまった。週末のTVスポーツニュースは彼の特集を組み、スポーツ紙は6ページを割いての大騒ぎです。そのうえ彼はハーバード大学卒という毛並みのよさに、もしプロになれなければ牧師になっていたというから恐れ入る。そんなことで当地の中国系社会でにわかに憧れの「英雄」になってしまった。
 さてそこで複雑な中国事情になります。早くも
中国と台湾とで、彼はどちらの代表チームに属するか綱引きが始まりました。彼はアメリカ生まれのアメリカ育ちですが、原籍地は中国の浙江省、その後に祖先が台湾へ移り住んだ経緯からどちらに属するか意見が割れています。そこに韓国までが4分の1は韓国の血が流れていると横やり参戦(もっとも大韓民国は孔子や孫文も西施まで韓国の血と言うのだから夜郎○○)。

 台湾のバスケットボール界は、彼を学生時代に「台湾の光」として、一昨年、昨年とスカウトしていたといますし、昨年は総統とも面会しているようですので、心情的には台湾に近いのかと思うが、市場の規模からするとMBLは中国へ傾くと思います。これも一つの選択だが、彼はまだどこの代表になるか決めてないという。
 
上海出身の姚明が引退したTV視聴率の落ち込みを、奇しくも彼が埋めることになり視聴率が回復傾向にあるという(ちなみに姚明のIQは132MBAでトップだったとの事で、ここでも彼が継いだことになります)。
 かくしてここから私の推測になりますが、彼は中国と台湾のいずれも選ばずアメリカ代表を選択するかと思う。なぜなら彼はアメリカ生まれのアメリカ育ちでアメリカンだからです。アメリカとはそういう国であり、彼は
すでに中国か台湾かという古い尺度を超えている事と思うからです。彼の今後の活躍を祈りたい。

茶漬けえんま

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 このところ何故か上方落語のカリスマであった桂枝雀の落語を聴いて抱腹絶倒している。
 昨晩も床のなかで夜中の1時半まで聴いてしまった。
昨晩は「茶漬えんま」のお題目で、閻魔さんがお茶ずけを食べる演し物。キリスト、釈迦、孔子、マホメッドもでてくる極楽バタバタ物語。
 閻魔さんに連れられて極楽へ物見遊山に行った粗忽者が、極楽に居る人の足を踏みつけてしまい謝っているところから珍問答が始まる;
 「極楽にはあなたも私もない。あなたとか私とか、個があるのは娑婆のこと。極楽では、あなたは私で、私はあなた。私があなたで、あなたが私」、「私は私で、あなたも私。あなたは私で、私はあなた。」「私も私、あなたもあなた。あなたもあなたで、私も私」。
 「あなたが私の足を踏んで謝っているが、そうではない。いわば、あなたがあなた自身の足を踏んだようなもの。私もあなたなのですから、言い替えると、 あなたは私、私はあなた。あなたは私で、私はあなたなのですから。私があなたの足を踏んだようなもの。」
 粗忽者は全くこれが理解できず????この珍問答が何度も繰り返される。
 極楽には「私、あなた」という個の緊張関係はないという笑いのなかに、桂枝雀が笑いのテーマとする「緊張と緩和」という深い洞察が潜んでいるようです。
 桂枝雀は、娑婆には個人という人間関係の緊張があって、怒るとか、悲しむには、自分と他人の境があるが、笑いはその垣根を超えて自他が一体になれる。笑うことがなぜいいかというと、笑いの世界は自他一如で「私はあなたで、あなたは私」という疑似体験ができるからという。笑っている調和の状態が、宇宙の本質に一番近づいているというのだから、なんとも深い。
 個々に緊張関係があるからこそ笑いがあり、緊張があるからこそ笑いに目を向けていかなければならないという。落語の笑いは個人を超えて自他一如を疑似体験させてくれるというわけです。ここまで極められると落語もそら恐ろしくなり、そうそう極楽トンボに笑ってもいられなくなってしまう。
 桂枝雀がこの境地に達していたとは恐れ入る。この天才落語家が欝になったのも宿命なのかも知れない。
笑いによる疑似体験を通して、宇宙の本質「私はあなた、あなたは私」という自他一如を残して逝かれたようです。こうして見ますと、3.11の大震災以後に「絆」という言葉が流行りましたが、これはまだ自他の緊張関係、「あなたと私」に響いてきて軽く感じてきてしまう。

野性の叫び

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 かつてアメリカの印象を、スポーツ、スクリーン、セックス、「3つのS」と称していました。最近はその影が薄くなっていますが、それでも時おりアメリカのスーパー・パワーを見せつけられることがあります。
 5日にアメリカン・フットボールの全米決勝戦、第46回スーパーボールが行われ、我が地元ニューヨーク・ジャイアンツが、ニューイングランド・ペトリオットを、21−17で下して王者に輝きました。試合は最後の1秒までもつれる大接戦の好ゲームだったので、双方のファンは手に汗を握って終盤まで燃えに燃えた。
 なんでもこの試合の全米テレビ視聴率者数が、史上最多を記録し1億1130万人、総人口の3分の1強が観戦したというのですから凄いことです。家庭数にすればほぼ全家庭が観戦したことになります。テレビのスポンサーCM料が、30秒で3億50万ドルというのですから、こちらも凄いことです。
 なにせ試合が始まると街に人影もなく、お店も休業して静まりかえってしまう。それに今回のハーフタイムのイベントが、セクシー歌姫のマドンナでしたので視聴率に拍車がかかったようです。このハーフタイムに、全米でみな一斉にトイレに用足しに立つものですから、アメリカの貯水池の水位が一番下がる時といいます。
 アメリカンフットボールは実にアメリカ的で、この国でしか維持できないプロ・スポーツかと思う。選手それぞれの役割分担が明確で、その仕事しか要求されていません。鍛え抜かれた体と体を激突させながらボールをゴールにタッチダウンさせる、実に荒っぽく男らしいスポーツなので、アメリカの男は試合を見ながら、己に潜む野性の男を甦らせています。女はその野性にセクシーを感じるようです。
 ハーフタイムの全米車業界のCMで、スクリーンでアメリカの男を演じる名優であり監督でもある、クリントンイーストウッドが出演して、「アメリカは今ハーフタイムだ。これから逆転するぞ」とメッセージし、そのようにNYジャイアンツが逆転劇を演じています。

 今回も、スポーツ、スクリーン、セクシーの三拍子そろったアメリカン・パワーに圧倒されてしまった。

 この国は混迷を続けていますがけして侮れない由縁です。後半戦には日本と一緒に粘り強く立ち上がってくることと思う。
 今日はニューヨークで凱旋パレードがあり、弊社の男は熱病のため会社を欠勤して出かけて行くようです。

安芸の宮島

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 当地ニューヨークは今年に入って一日だけ雪がぱらついた程度で、毎日10度前後のおだやかな日々となっています。今日などは気温が16度まであがり、おそらく最高記録を更新するかと思います。
 一方、中国内モンゴルの満州里では、春節に零下44.9度となり観測史上最低を記録したとのことです。マイナス45度の寒さになると、冷蔵庫の中に逃げ込んで生活するのだろうか。
 たまたま前回の出張時に満州里から留学に来たモンゴル人の女性と知り合いになった。私が日本でモンゴル人と知り合いになったのは、
白鵬と握手を交わした以外これが初めてとなる。彼女は昼間学校に行き、その後どこかでアルバイトをし、夜は上野のバーで働いているという。そうでもしないと日本で生活して行けないとのことだった。
 私は知人から彼女のお店に行って応援してくれと頼まれ、知人と一緒に飲みに出かけてきた。彼女はモンゴル人特有の分厚い丸顏で、美人ではないが迫力のある可愛い顏をしていた。服装は冬に似合わない真赤なミニドレス、たぶんこれくらいしかドレスが無いのだろう。彼女の真面目さが水商売に合わないためか、お客がつかず売り上げがないため、何軒かの店を首になって、この店で働き始めて2日目とのことでした。
 彼女は私の知人を見るや、来てくれてありだとうを連発し、嬉し涙を流していた。目の腫れぼったさはよく泣くからかも知れない。とにかく感情が激しくお店を出る時も外まで送ってくれて、これが今上の別れかの様にぼろぼろ涙を流していた。こんな純朴な娘が上野のバーで働いているのかと思うと、気の毒でこちらまで胸が痛くなってきてしまった。
 日本に来て初めて憶えたという、水森かおりの「安芸の宮島」を、説明付きで唄ってくれた。日本の生活に馴染めず、日本語もできず、お金もなく、故郷にも帰れず、極度のホームシックにかかり、夜明けの公園で泣きながらベンチに座っていたら、散歩にきた見知らぬおばさんが、「負けてはだめよ」、「頑張らなければだめよ」と、やさしく声をかけてくれ、彼女のつたない日本語を忍耐強く聞きながら、この歌を教えてくれたとのことです。
 そしてこの歌が日本で活きて行く原点になったとのこと、、、


  ひとりで旅する おんなの背中
  泣いているよに みえますか
  安芸の宮島 朱色の鳥居
  胸の痛みを わかってほしい、、、

 なぜ「安芸の宮島」なのかは知りませんが、時に歌もいいものです。神々が住む島と崇められる宮島は、海を鎮める平家一門のシンボルでもあります。今年は平清盛ブームだといいます。彼女も宮島の幸に巡り逢えるといい。それを祈りたい。

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