シャープの凋落

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IMG_0308.jpeg 電卓メーカーとしてのシャープ社は、小社の創業以来よき先生であり競合会社でした。かって小社が新入幕としてアメリカ市場に参入した時に、西の横綱シャープの胸を借りて鍛えられ、多くのマーケット手法を学んできました。
 堅実な大阪企業でして、工場出しの価格からさらに5セントを値切るのに一日中かけて粘り続け、下請け泣かせの会社でした。経費節約も徹底していて、全盛の時でさえも従業員にクリップの使用を禁止して、ホッチキスの使かわせていたほどでした。私にはここまでで徹底できませんが、こうしたシャープの経営姿勢を尊敬してきました。
 そのシャープが4年前に過去最高益を出し、株価も2000円台でしたのに、今年の連結決済で3760億円の赤字を計上し、来年度の予測も2500億円の赤字になっています。株価も200円に落ちて、銀行からつなぎ融資660億円、さらに2000億円規模の追加融資を申請する凋落となっています。
 経営再建策として、海外工場の売却、希望退職者を募り、8000人のリストラで、人件費と固定費の削減をやっていますが、どうなることかです。今や再建の命運はアップル社の生産工場である台湾企業の鴻海(ホンハイ)社の匙加減ひとつで、もはや「目のつけどころがシャープでなくホンハイ」となっています。
 これほど堅実な会社が、経営環境の変化に対応できずに、短期間にここまで凋落してしまうなど誰が想像したでしょうか。ライバル社とはいえ、私と競ってきたたちは今どうしてるかと思うと胸が痛みます。
 私には「竹島」の政治問題よりも、サムソン(三星)社の大躍進の方がよほど脅威に映ります。まぁ、そのサムソンも今がピークでこれからどうなるかわかりませんが、一人勝ちはけしてよいことでありません。シャープを手玉に取ったホンハイと昇龍のサムソンの世界戦略の第二ランドがすでに展開されています。さて、どうなることかやら、、
(上記の写真はUndo/Redo機能付き次世代電卓、ポスト・シャープ機種になるもので、先生に恩返しです。)

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このページは、三休が2012年8月24日 01:04に書いた記事です。

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