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51qIwXGDZuL._SL500_AA300_.jpeg 必要に応じて久しぶりに分厚い500ページにぎっしり詰まった経営書を読みました。
 
「ジェフ・ベゾス果てなき野望」ーアマゾンを創った無敵の奇才経営者ー、世界最大のインターネット通販会社アマゾンの創業20年史ですが、実に面白く参考になりました。まだ呼吸していて歴史にもなっていないインターネットの現在進行形の物語は、現在史とでもいうのでしょうか。
 私もここに登場する人物や大型チェーン店と同じ世界で活きてきたので肌で感じるものがあり、私自身が本の現場に飛び込んで野次馬になった気分でした。しかし、私は長くこの世界に活きてきましたが、どうしてもいま一つ馴染めず入り込めない違和感がありましたが、それが何んだったのかやっとわかりました。
 同じ世界で同じコンピューターを駆使しながらも、アナログ思考世代とデジタル思考世代との大きな隔たりだったようです。我々アナログ人もコンピューターを「道具」として経営してきましたが、彼らはデジタル思考でコンピューターを「頭脳」として経営していました。ここには大きな違いがあります。彼らは持ち前の優秀な頭脳にさらにコンピューター頭脳が加わるのですから無敵で限りなく神の領域に近づいてます。彼らは膨大な情報知識(智慧でない)を基にして経営判断をしていますので、情報量からしてアナログ思考では敵いません。
 最近、貧富の格差が問題になっていますが、これらは頭脳の格差とも比例して来るのではないかと思います。コンピューター化によって中間層が淘汰され、アナログ人とデジダル人の二分化が進み、新しい階級が生まれているようです。
 
 デジタル思考の経営者に共通することは、変化が激しく、時が10倍のハイ・スピードで流れるためか、何かに急き立てられているかのように気忙しく、短期で怒りっぽく、馬鹿な従業員との会話は30秒も我慢できないし、愚者を見るのも嫌だというところです。アップルの創業者スティーブ・ジョブスは自社のエレベーターでたまたま居合わせた従業員に質問し、彼の愚答に腹を立てその場で首にした有名な逸話があります。ジェフ・ベゾスも同じでして、私はこの本を読みながらこれは単なる馬鹿を指すのでなく、アナログ思考の人に耐えられないのではないかと推理しました。

 彼らはアナログ人を古いとみているようですが、確かに時代はアナログ思考+コンピューターを道具にした経営から、デジタル思考+コンピューター頭脳を武器とした経営へ世代交換が進行しているようです。こうした二分化の進行により、ここ当分は失業問題や社会不安と混乱が続くことでしょう。
 諺に「老馬識途(老馬は道を知る)」vs「You can not teach an old dog new tricks.(老犬に新しい事を教えても仕方ない)」、今日もアマゾンへ出荷です。さてさてどちらにしたらいいのだろう。

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このページは、三休が2014年3月 7日 01:37に書いた記事です。

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