霞む香港

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IMG_2449.jpeg 「月日は百代の過客にして、行かふ年もまた旅人なり。フェリーの上に青春をうかべ、日々旅にして旅をすみかとす。予も22の歳よりか、亜細亜の片雲の風にさそはれて、漂白のおもひやまず、いまおも海浜にさすらへ」(香港の細道) 
 1971年、23歳から香港に出入りを始めて、かれこれ百回を優に越えてますのに先月はじめて観光しました。なんとも野暮な亜細亜浪人でして、これまで雑踏する街並を散策し、フェリーに我が血潮が揺られるだけでよしとしてきました。
 香港に初めて来た観光客の9割りがここを訪れるという一番の観光名所「ビクトリア・ピーク」にも行ったことがありませんでした。先月たまたまお付き合いで行くことになりましたが、なるほどの観光スポットでした。香港島で一番高い太平山の「山頂」から見下ろす香港の摩天楼と海は絶景でした。40分ほど散歩コースを楽しみながら見下ろす香港は絵葉書そのものでしたが、絵葉書の鮮明な景色と違っていたのは大気が汚れて霞んでいたことでした。
 大気の汚れは大陸からのもので香港の中国化を象徴するかの様な霞でした。晴れた日でしたが残念な事で、霞む香港など魅力がありません。これでは「東方の真珠」が形なしです。

 民主制度で育った香港の人にとってこの程度の汚れはまだ許容範囲なのかも知れませんが、いまだに公害運動もせずにおとなしくしているのか理解に苦しみます。やがてこれが「ピーク」になれば公害運動が始まるかと思います。中国の近代史を見ますと改革改善は常に南方から始まり北上して制度化しています。ここは香港人のプライドに期待したいところです。
 この汚染も先週から続いた豪雨で多少は洗われたと思いますが、今月中旬にまた香港に一週間となっています。今回もビクトリア・ピークを訪ねて散歩を楽しんできたく思っています。
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このページは、三休が2014年4月 4日 00:08に書いた記事です。

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