フィリピン

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 IMG_3086.jpeg           (街中を走る公共ミニバス、ジプニー)
 フィリピンは台湾のすぐ南に位置しているのに何故か縁がなく、私にとり48番目の訪問国になってしまいました。
 私はビジネスで外国を訪問しているのですが、その国の経済力よりも文化力のソフトパワーの方により興味が引かれてしまいます。これまでの訪問国で世界最貧国のブータンに最も魅せられた所以でもあります。
 まぁビジネスマンとしては失格なのでしょうが、今回は2日間に2カ所の工業地区、日系4工場視察という事ですっかり経済に徹しました。日系工場の視察目的は中国生産リスクを回避して生産拠点をチャイナ+ワン(China + 1)の方向になっています。その+ワンのフィリピンの発展状況の視察でした。フィリピンはここ数年アジアの成長が少々スローダウンしているなかで単独で高度成長を続けています。
 結論から先に述べますと、日系企業は私が想像していたよりもしたたかな底力と機敏さで躍動していたことに敬服しました。わずか2〜3年の間に、先ず大手商社によって大きな工業加工区が企画され、水力、電力等のインフラを設備して日本企業に誘致分譲し、すでに新しい工業区に日系の工場が32社ほど進出していました。区内には日本料理店まで開店しお昼の弁当まで配達していました。
 
E社は1年半前から1万2千人の従業員の生産体制で稼働し、その下請け工場も進出していました。大手のB社、F社も新築工場が来月から生産体制になってました。E社の隣りには自社とも長い付き合いのある台湾系のK社も建設中で、従業員1万人を募集して日本のCAメーカー向けに出荷となっています。来年には大手のC社とN社も進出するようです(企業機密なので社名は英語の頭文字のみ)。
 今の中国に比べ人件費が4分の1(月2万円)、しかも公用語が英語で
、97%がカソリック教徒、親日の海洋国家、人口1億人余で見事なピラミッド状で若年層の労働人口構成になっているので実に良い生産環境です。雇用1万人の人件費が4分1になるだけでも大きな違いです。こうした生産環境の基でこの先10年は高度成長を続けて行くと思います(私は20年続くと見てます)。逆になぜ今までフィリピンに進出しなかったのか不思議なくらいです。
 日本で今期総合売り上げ1兆円企業になったE社のフィリピン社長は「フィリピンはこれまで置き残されたままの島でしたが、アジアの生産環境をいろいろ消去法で詰めて行きましたらフィリピンに行き着きました。当分はアジアの生産の重要拠点になって行くと思います」と言ってました。フィリピンから中国へ輸出が始まるのもそう遠くありません。経済は政治より一歩も二歩も先を行っています。
 「この道はいつか来た道」すでにチャイナ+ワン、いや、ワン+チャイナの体制がアジアの各地域で完成しつつあります。中国の高度成長の終りはフィリピン高度成長の始まりでした。
フィリピンの指導者は中国が侵攻して来る前にいち早く日本に来てもらいたい意向のようでした。物つくり大国・日本の底力を覗いた思いでした。中国よ奢ること勿れ。
 さて、日本は集団的自衛権行使容認に継いで、次は太平洋に大きく開かれた海洋国家として脱東亜(中韓の反日が鎮まるまで)となります。奇しくも安倍首相は今日オセアニア海洋諸国を歴訪中となっています。

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このページは、三休が2014年7月 8日 02:32に書いた記事です。

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