北京的秋天

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 久しぶりに中国の大気汚染を書きます。
 19日に第34回北京国際マラソンが行われたのですが、
この日午前6時の汚染指数は最高レベル「深刻な汚染」に達していました。中央気象台は市民に極力外出を控え、外出する際は必ずマスクを着用し有毒粉塵の粒子が体内に入り込まないように促しました。当然のこと北京マラソンは中止になるかと思いきや強行されました。中止より面子にこだわりました。
 北京マラソンは定刻にスタートし、世界55カ国から集まった選手ら3万人が
、どんよりした白いスモッグに覆われた大気汚染のなか、多くの選手はマスクをつけて走り、なかには防毒マスクを装着したまま参加した選手もいたようです。競技組織委員会は走者に極力鼻呼吸でするよにすすめていたが、42キロの距離を鼻呼吸だけで走れるものでありません。これって自殺行為マラソンに等しいものです。
 果たせるかな、先行していたケニアの選手は20キロの時点で試合を放棄。イギリスの選手は「私は10キロ走った時点でつけていたマスクを見て、これでも十分だとはっきり分かった」と、放棄しています。走る選手も選手だと呆れるが、穿った見方をすれば、これは選手たちによる沈黙の反大気汚染の威示行動にも思えてきます。かつてのあの爽やかな青い空「北京的秋天」を取り戻せです。
 また、11月10日、11日には、北京で
APEC首脳会議が開催されるので、今から「青空対策」が打たれ、乗用車のナンバーの末尾が偶数(日)か奇数(日)かによって、市内への乗り入れを相互に禁止し、交通量を減らす措置が決められましたが、これは根本対策にならない。それに「上に政策あれば下に対策あり」で、富裕層の市民には偶数と奇数のナンバーの車を2台所有して毎日乗り換えて通勤しています。
 かくして北京はすでにいやはやです。でも、大気汚染で一つだけ気持ちがよいのは、天安門広場の中央にかけてある毛沢東の大きな肖像写真が霞んでしまうことです。

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このページは、三休が2014年10月22日 22:51に書いた記事です。

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