ワシントンは日本晴れ

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IMG_0917.JPG              (青空に突きでる八重桜、5/1撮影)
 4月29日のワシントンは、アメリカ両院議会での安倍首相の演説で天晴れな日本晴れでした。アメリカ人好みの基調で、細部まで緻密によく考え抜かれ、練りに練った秀逸かつ格調の高いスピーチでした。
まるでトロイア戦争の鎮魂を奏で、地中海文明の誕生を詠ったホメロスの叙事詩でも聴いているかのようでした。ここ久しく下向きがちだったアメリカンに、このまま一緒に進もうと心暖まる激励にもなりました。戦後70年、日本は敗戦のなかから立ち直り立派な大国なりました。

 この名演説は「戦後レジームからの脱却宣言」であり、同時に「アジア太平洋の世紀」の未来を明確にした記念すべきものになるでしょう。世界史的に鳥瞰しますと、かつてギリシャとローマを主軸にして栄えた「地中海の時代」、ついでヨーロッパとアメリカを中心にして繁栄した「大西洋の時代」から、先の大戦の鎮魂を通じて文明のうねりが、日本とアメリカを楕円の二極とした「アジア太平洋の時代」を肯定するもので、「希望の同盟」はその基盤となります。海洋国家の日本が太平洋のギリシャとして日本の使命を実践すべき方向性を意志表示しました。その意味では日本全国民に向けた歴史的な演説でもありました。
FullSizeRender.jpg 私にとりましてタンポポのように渡米し、そこに根をおろして以来、初めて心の晴れる演説でして時おり目が潤みました。惜しむらくはこの演説をなによりも心待ちにした、元外交官の岡崎久彦氏や政治評論家の三宅久之氏、私の恩師・野島芳明氏等に聴かせてあげられなかった事です。今日はそうした草莽の先人にタンポポの栄誉を添えたく思います。

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このページは、三休が2015年5月 1日 23:02に書いた記事です。

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