只有一个地球

| コメント(0)
IMG_1036.jpeg        (上海浦東空港みる標号「地球はただ一つ」)
 中国が今なにを国家目標にしているのかは、街を歩いて目につく標号を見るとだいたいわかります。ここ数年来いちばん目につくのが「創造文明社会」でして、彼らも文化国家たらんと努力しているのです。

 習政権になってから「和諧社会」(格差是正)が徐々に消えゆき、代わって「中国之夢」が至る所に表れ、ごく最近になり「中国之夢、是我的夢」(中国の夢は私の夢)に落ち着きました。習政権は大中華帝国の復興が夢なのでしょうが、人民は金を儲けてさっさと海外に移民することが夢かと思うので、お互い曖昧(差不多)のままにしているところが中国的です。
 数ヶ月前から飛行場内やその付近に、「只有一个地球」(地球はただ一つ)の標号がでました。あんたにそれを言われたくないが、こうした意識の芽生えは奨励すべきです。ただ「只有一个地球」の句だけではどうも中途半端で座り心地がよくありません。うがった見方をして対句を加えますと。「只有一个地球、是我們的」(地球は一つ、我々のだ)となります。
 中国は核心的利益として西太平洋を我々の海と公言して膨脹を続けています。南シナ海の岩礁を埋めたて軍事拠点を築き、東シナ海の尖閣諸島の周辺にもジワリジワリと陣地取りにきています。あわよくば沖縄、台湾まで射程に入れてます。これが今の現実で、さらには経済が減速し社会不安になれば人民の目を海外にそらすため緊張度が増すことが予想されています。
 にもかかわらず日本ときたら、明白に国家の権益が脅かされているのに(泥棒が家のドアの鍵をこじ開けようとしているのに)、いまだ安全保障関連法案の審議をめぐりガタガタしているのですから、うんざりします。リベラル知識人は「只有一个地球、是他們的」(地球は一つ、彼らのだ)とでも思っているのだろうか。国家に対してあまりにも無責任な平和ぼけです。宮崎駿のアニメの世界ではないのですから、もっと大人になって起きてしまった現実を直視すべきです。
 今日、安保法案が衆院で可決したが、信念と責任感のある政治家により法案を「粛々と」速やかに成立させて、堂々と歴史に名前を刻んでもらいたい。

コメントする

月別 アーカイブ

この記事について

このページは、三休が2015年7月15日 22:13に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「上海株」です。

次の記事は「軽くなる魔法」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。