上海のタクシー

| コメント(0) | トラックバック(0)

8690f348e051559c_S2.jpeg 今回は私用のため上海の東の端から西の端まで、タクシーを計300キロ、6時間、3万円で貸し切りました。
 運転手は四川省のド田舎の貧農に生まれ、中学を終えると6年間軍隊に所属し、給料が安いため退役し(退役金1万7千円)。その後軍隊のつてで上海に出稼ぎにきたが、そこも安月給のため辞職して、車を一台買って個人タクシーを始めたとのことでした。現在は上海の街はずれにアパートを購入し、安徽省出身の妻と高校2年の娘と暮らしています。上海では今も外地人(よそ者)ではありますが、成功した小市民の典型と言えます。彼には国に有事あれば、ただちに近くの軍隊に帰還すること、治安を乱す者があればすぐに公安警察に報告することが義務づけられています。
 狭い車内での6時間ですから、私は中国事情をあまり知らないふりをして、時おり思い出したように単発的にいろいろ聞いてみました。軍隊仕込みですから、かつてはすごい反日だったこと、南京事件のプロパガンダをそのまま信じていました。こうした議論は避けて、国内の情況を聞いてみましたら、驚いた事に私の中国現状分析とほぼ同じでした。
 中央政府は不都合な情報は遮断して愚民政策を取っています。私も一方的に聞く側で何も話しませんでしたが、彼はこの国が置かれている問題と内情をほとんど知っていました。軍隊の汚職や極秘案件である要人暗殺未遂の件数まで知っていました。
 彼は今も反日です(私と会って少し認識が変わったと御世辞を言ってました)が、中国人の公衆道徳、メンタル面で、日本から30年遅れていると認識していました。こうしたことを知りながらも自分の生活圏を脅かさない限りは愚民となってタクシーの運転手をしているわけです。このしたたかさと忍耐強さが、この国で生き残っていく生活の知恵なのでしょう。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.tempu-online.com/mt/mt-tb.cgi/359

コメントする

この記事について

このページは、三休が2018年1月16日 00:32に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「同床異夢」です。

次の記事は「西朝鮮」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。