デジタル文化大革命

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IMG_8739.jpeg 川島博之著「習近平のデジタル文化大革命」(2018年10月刊)を読みました。氏の「戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊」を読みたかったが、どうしたことかアマゾンで不適切本として購入できなかったため先にこの著書を購読。
 川島氏の中国論は初めて読むのですが、晴れて大学の研究機関を退官し自由の身となり満を持しての思い切り鬱憤本でした。中国に過去20年間に40回、300日のフィールドワークの報告書でよくまとまっていました。
 「2018年は、中国が非人間的な『デジタル文化大革命』に突入した年だ」と断定し、「4億人の既得権者たる都市住民が、9億人の農民戸籍者たちから搾取しながら成長する現在の体制(中国共産党)を守るため、習近平が始めたデジタル文化大革命の恐ろしい本質」の最新情報が満載でした。
 毛沢東の「アナログ文化大革命」から中国研究を始めた私も、習近平の「デジタル文化大革命」が始まったと同じ認識をしています。私が中国を敬遠しはじめたのもこれによります。
 私の敬遠の理由はまず嫌な国なってしまい滞在していても息苦しさ感じてしまうからです。ことの始まりは2年前までクリスマスイルミネーションが街中に輝いていたのに、上から「西洋の祝いだから自粛」との通達一つで、国際都市上海からまったく光が消えてしまったことです。
 ついで、昨年アメリカの高速道路を車で走っている時、携帯電話に「中国領事館ですが重要な書類がありますのでサインしてください」とかかってきました。咄嗟にいたずら電話かも知れないが、それにしてもなんで私の携帯の電話番号を知っているのか不気味に思い用件も聞かずすぐに切りました。
 著者も「戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊」を書いてからブラックリスト載ってしまったようで、名誉ではあるが再び中国に訪問することができなくなった。中国の空港の顔認識システムで拘束される可能性があるからだと記しています。
 「君子危うきに近寄らず(君子不近危)」です。

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このページは、三休が2019年1月10日 00:50に書いた記事です。

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