2015年10月アーカイブ

活力移送法

 今回も「天風道八十年」の補充となります。
 本著書で「進化と向上」とは「世のため、人のため」と解釈し、そしてそれが「宇宙霊の理想」としていました。
 私は以前から天風師の説かれた「進化と向上」に、果たして人間は進化し向上しているのだろうかと、いまひとつしっくり行かないものを感じてきました。天風師が理論構築なされた当時はダーウィンの進化論が主流をなしていたので、進化と向上で理解できたのかと思うのですが、現代の人間がいまなお進化し向上しているのかと半信半疑でいました。それを「進化と向上」とは「世のため、人のため」と解釈されたことでストーンと納得が行きました。
 先日ノーベル生理学の大村智氏が受賞記者会見で、「祖母から教えられた『人のためになることをやれ』を基準にしてきた」と語っていましたが、「世のため、人のため」にやることで結果として「進化と向上」につながっていました。
 さて、そこで本著書に特記されている、人のための「活力移送法」についての本題となります。なぜか「活力移送法」については直弟子の方でもあまり言及していませんので取り上げてみました。
 戦前の多くの天風会員は自己啓発が目的でなく、なんらかの病いを患い健康回復を願って入会していました。著者の山田氏も肺結核から入会されています。この入会動機が、一部の会員を除き戦前と戦後の大きな違いになっています。
 天風師は当時そうした会員に活力を移入されていました。著者山田氏も活力移入の被験者であり、またこの法を習得してからは会員に依頼されて活力移送をやっていたと記しています。当時は活力移送法が天風会の行事の中で大きな比重を占めていたと思うのですが、今でもどなたかが移送法を実践または教授しているのでしょうか。

 「自己移送法」は自分の実践を通して体感できるのですが、人のための「多面移送法」の効果は、医学的に実証するのが難しのですが、その点でどうなのでしょうか。私自身はさもありなんと理解できるのですが確証できません。それに効果をあまり強調しますとオカルト的になってしまう危惧を覚えます。一方で天風師は移送法で「治るものは治るし、治らぬものは治らぬ」と突き放してもいます。しかし私はそれでもなお「他面活力移送法」を、天風哲理実践の一貫として真剣に研鑽されてしかるべきと考えます。
 ただ「多面活力移送法」は、私の理解と力量を越えた聖域になっていますので(本著書をお持ちでない方が多いかと思い)、理解不理解は読んだ方にお任せすることにし、著書の内容をそのまま整理して書き起してみました。ご参考になればなによりです;

<自己移送法>
1、普通の局部移送。
 眉間呼吸プラヤマで活力をたくわえ絶対クンバハカで息を止めた後、利き腕の手の平を患部に当て、活力が患部に流れ込む意識を集中し、ムーといきみ加減に息を吹きだします。これを5回繰り返しまだよくならなければ、2〜3分休み同じことを反復します。
2、普通の全身移送。
 局部移送と同じ要領で息を止めたあと意識を丹田に集中します。ついで活力が丹田を通じ全身へ充満すると意識し、ムーといきみ加減に息を吹きだします。
3、非常時の局部移送。
 重症の場合には大きな活力が必要になります。安定打坐して宇宙霊の偉大な力と一体になり、患部が治癒して健康が快復した状態をイメージします。これを毎日、絶対の信念をもって続けること。
4、非常時の全身移送。
 患部が不明で全身不調の場合、または運命的に苦境に追い込まれた際におこなう移送法。
 まず絶対クンバハカと眉上げにより虚心平気の絶対信念を固めます。そして極めて平静な気持ちで健康や運命が正常な状態になっている状態をイメージします。このイメージを現状に如何に関係なく続けます。
 天風師は非常時の場合はイメージの前段階で目標の状態が実現するという暗示をかけておき、さらに安定打坐で宇宙霊と一体となり目標が達成された状況を思念する二段構えの「暗示思念法」を教示してました。

<多面移送法>

1、普通の局部移送

 自己移送の局部移送に準じた方法で行う。相手に気楽な姿勢をとらせておき、全身の力を抜き、何も考えない平静な状態を維持させます。
患部に軽く手の平を触れるか2〜3センチ離し、眉間呼吸プラナママで急速に活力を貯えて絶対クンバハカで止息します。その後で手の平を通じて活力が相手の患部へ流れ込むと意識しつつムーといきみながら息を吐きます。これを5回繰り返し2〜3分休んで同じことを繰り返す。

2、普通の全身移送
 相手に楽な姿勢で椅子にかけさせます。自分は右側に立ち、左手を軽く相手の右肩に置き、軽く叩いて気を楽にさせます。右手の人差し指と中指を揃えて伸ばし、指先を眉間へ1〜2センチ近づけ、眉間呼吸プラナヤマで活力を貯えた後、相手の眉間に向け「ブエイッ、ブエイッ」と気合いをかけます。左手は相手の肩から2〜3センチ、右手の指先は眉間から1〜2センチに保ち、意識を相手の眉間へ集中し続けます。終りに左手で相手の肩を軽くポンと叩き「入った」と断定します。
この行法は天風師が生前に行った原形です。

3、非常の近距離からの移送
 入院中の患者に外部から念波によって活力を移動する方法。近距離から移送する場合、眉間呼吸プラナヤマ法による活力で効果的な念波を送ることが可能であると天風師から教えられました。
 ただこの場合は、直接オーラが伝わるのでなく念波がテレパシーとして相手の所に届き、相手の周辺の活力が念波のエネルギーにより相手へ流入する方法です。
 遠距離の場合はプラナヤマ程度による移入法では経験上無理なので、具体的にはプラナヤマで活力を貯え、相手の写真を見て念頭にその面影を浮かべながら、病いがよくなった状態を思い描いて、そのイメージをテレパシーで送ればよい。
4、非常の遠距離移送=遠隔思念
 毎晩11時に寝る前と真夜中の2〜3時トイレに起きた後の2回、安定打坐の瞬間活法で宇宙霊と一体になり行っています。

 以上となります。世のため、人のためになる研鑽のご参考まで。