第6部 心身統一体操

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 朝の行修と心身統一体操

 心身統一体操は、天風哲理を肉体方面から鍛える体操です。
 呼吸法とクンバハカを中核にした体操で、クンバハカ強化の徹底ぶりがうかがえます。
 ヨーガの体操法を適所に組み入れ、各動作に哲学的な観念を打ち込みながら行うのが特徴です。心身統一体操は4項目あります;
 「活力吸収法(プラナヤマ法)」ー宇宙に遍満存在している活力を取り込む呼吸法。
 「呼吸操錬」ー体内の呼吸器官を強化促進する法。
 「統一式運動法」ー裏筋肉をストレッチし、筋肉を活発化させる法。
 「積極体操」ー消極心を撃退し、気力を充実させ積極化させる法。 

 すべてクンバハカ体勢で行い心と体を一体化させるように組み立てられていています。
各動作の中にクンバハカと呼吸法が組み込まれた完成度の高いと体操になっています。
 ただ、肉体の強化法は、年齢差、体力差、体調、強化目的によりそれぞれ違ってきますので、心身統一体操を踏まえながら、あとは足りない部分を強化するために、各自の体と状況に合った体操法を組み立てられてゆくことをおすすめします。
 統一式体操は理論ではなく実行してゆくものですから、図解や文章での解説では抽象的になってしいうので、ここでは録音されたいる各動作に付随する観念だけを解説してゆきます。
 (なお、録音は天風師92歳、帰霊する4ヶ月前の最後の肉声による誦句です。)

  朝の行修 (1968年、昭和43年天風会東京総本部夏期修練会朝の行修より)

 <甦えりの誦句> (天風師による朝の言葉)

(音源)MorPrac01 甦りの誦句 天風

「吾は今 力と勇気と信念とをもって甦えり、
 新しき元気をもって、正しい人間としての本領の発揮と、
 その本分の実践に向かわんとするのである。揖斐の
 吾はまた 吾が日々の仕事に、溢るる熱誠をもって赴く。
 吾はまた 欣びと感謝に満たされて進み行かん。
 一切の希望 一切の目的は、厳粛に正しいものをもって標準として定めよう。
 そして 恒に明るく朗らかに統一道を実践し、ひたむきに人の世のために役だつ
 自己を完成することに 努力しよう。」
 
 <誓いの言葉> (全員で誦和)

(音源)MorPrac02 会員一同

「今日一日
 怒らず 怖れず 悲しまず、
 正直 深切 愉快に、
 力と 勇気と 信念とをもって
 自己の人生に対する責務を果たし、
 恒に誠と愛と調和を失わざる
 立派な人間として活きることを、
 自分自身の厳かな誓いとする。」


 <活力吸収法(プラナヤマ法)>

(音源)Morprac03
活力吸収法の誦句 天風


 「神韻縹渺たる大宇宙の精気の中には、我ら人間の生命エネルギーを力づける、活力なるものが、くまなく遍満存在している。今、私はプラナヤマ法と称する特殊な密法を行い、この活力を、五臓六腑はもちろん、四肢の末端に至まで、深甚なる感謝をもって思う存分ありがたく吸収しよう。」(プラナヤマ法の誦句)

 宇宙にくまなく存在する大自然のエネルギーを、観念を用いて取り込む深呼吸法です。
 天風師はヨーガの里でクンバハカを会得し、ついでそれと併合したヨーガで言う「プラーナーヤーマ」の呼吸法を習得して命が甦りを果たしました。その後、命の甦りした効能を探究し、徹底的に噛み砕いて日本化したのですが、クンバハカとプラナヤマの名称はそのままに残しています。誦句集でも「活力吸収法」の横にカタカナで「プラナヤマ」とルビを付けています。
 活力吸収法は、大地に立ち足の裏から生命エネルギーを、体全身に満たすようにすくいあげてから、一瞬だけ絶対クンバハカで息を止めます。そのあとウン〜といきみ、加減して鼻から息を吐き出しながら体内の悪気不浄を排出させ、体内を浄化させる全身呼吸です。
 先ず、大地に毅然と立ち「プラナヤマ法の誦句」を唱えたあと;
*まず息を吐く。吐いて、吐いて吐き切ったら、グッと絶対クンバハカを決めて、
*足の裏から生命エネルギーを全身に充満するようにして口から息を吸い上げ、
*そこでまた絶対クンバハカ決めて一瞬だけ息を止めます。
*クンバハカ体勢のまま下腹に意識を集中させ、鼻からウ〜ンといきみながら吐き出します。 
 下腹に意識を集中させて体内60兆の細胞にバイブレーションを与え、体内の悪気不浄をすべて排出して活性化させます。この呼吸法をクンバハカの体勢で、眉間に意識を集中し、細く長く深く十秒ほどの完全呼吸で2回繰り返して心身を活性化させます。深呼吸のときに眉間に意識を集中させることから「眉間プラナヤマ法」とも称しています。
 天風哲人は「眉間は命の窓」といってよいほど大切な所で、宇宙にくまなく存在する生命ネネルギーは主に眉間から入って、松果体を経由して全神経の原動力として配分されると説明しています。眉間から導入された宇宙の活力が、松果体ホルモンのメラトニンの分泌を促進し、抗酸化作用によって細胞の新陳代謝を促して疲労を回復し、病気や老化現象を予防する働きがあると言われています。
 また、この眉間を「第三の目」と称し、ここに意識を集中することで、両眼では見えない、第六感、直感、読心、テレパシーなどの働きが発現されてきます。これは仏像の眉間にある星で、古来インドでは霊性心が発現した覚者に、第三の目をつける習慣がありました。
 

 <呼吸操錬>

(音源)MorPrac4 呼吸操練  杉山元会長 

 基本の姿勢はクンバハカ体勢でしっかりと大地に立ち、手の親指を中にして拳を握り、手首を身体側につけます。
 ここで大切な九つの動作の節度節度にクンバハカを決めて行うことです。息を大きく吸って、ゆっくり、ゆっくり吐き切ります。節度節度の呼吸のおわりにクンバハカ体勢のときは足の踵を紙一枚ほど浮かせます。

  各動作の順位と(生理的効果);
1、クンバハカして踵あげ(自律神経系統を長大にする呼吸)
2、指はじき(神経を活発にする)
3、息吹(肺呼吸と呼吸組織を旺盛にする)
4、胸たたき(肋骨と肋骨筋を強化し、肺気胞を刺戟し肺機能を促進する)
5、背中さすり(背部の肋骨と肋骨筋の強化)
6、胸開き(胸腔の拡張し呼吸機能を強化)
7、膝まげ(血液循環の促進)
8、清め(肺蔵内の清浄)
9、気合い(音声を強大にし、喉の力を強くする)

 深呼吸を挟み各動作が、クンバハカで始まりクンバハカで終ります。
 戦前は胸を患って参加した方が多かったので、そうした状況のなかで「呼吸操練」が創意されました。天風師は呼吸操錬を、間違いのないように正確に行うようにすすめていました。
 現代社会でも十分に通用する心身健康法ですので大切に実践したいものです。


 <統一式運動法>

 (音源)MorPrac5 統一式運動法  杉山元会長 

 統一式運動法もクンバハカ体勢で行い、日頃あまり使われてない裏筋肉をストレッチしながら観念を用いて宇宙霊と一体になる運動です。
 呼吸操錬と違い各動作の節度を区切らず、宇宙エネルギーの気が体内に流れるままに演舞のようにして一気に行います。各運動の観念が、大宇宙の壮大な詩になっています;

1、宇宙の空間にわれ毅然と立てり
2、われ動かざること山の如し
3、何ものといえどもわれ怖れず
4、わが力まさにかくの如く豊富なり
5、われは宇宙霊と一体なり
6、宇宙霊と一体となり、その強さを味わう
7、生命内の悪気、邪気をぜんぶ吹き払う
8、宇宙霊に大いなる恩恵を、心から感謝し
9、宇宙霊を我が生命の中に確実に抱きえた。
10、抱きえた力、受け入れし力、まさにかくの如し
11、指先までも宇宙霊に力が透徹するのを心静かに味わう
12、足先までも宇宙霊の力に満たされる
13、世の中の悪と不浄を完全に踏みつぶし蹴散らす
14、宇宙エネルギーの充実を心から味わう
15、力の勝利、充実した力、まさにかくの如し
16、われいま完全に甦り
17、甦った喜びの勝利
18、腕を左右にふりにっこり笑う。

 統一式運動法は、各動作に宇宙エネルギーが一筋に流れているようにして行う壮大な宇宙の舞いです。天風打坐を静なる宇宙霊と一体とするなら、統一式体操は動的な宇宙霊と一体といえます。


 <積極体操>

(音源)MorPrac 積極体操(平和運動)  杉山元会長

 はじめにクンバハカ体勢で親指を中にして拳を握り、空手道のような突きを行います。前突き、横右突き、横左突き、上下突き、後ろ突きと、四方の虚空に向かって突きをすることで、積極心を養う体操となります。
 私はこれまで「積極体操」の効果を過小評価し、止めてしまおうかと何度も思いながら継続してきました。以前は「平和体操」と呼んでいたこともあり、平和と呼ばれているのになんで突きをするのかと矛盾を感じていたこともあったからです。しかし、最近になって、心身統一体操の最後に拳を虚空に突くことで、その日の積極心が養われ、勇気が湧いてくることに気がつき、積極体操も欠かせない運動になりました。
 この他にも、一日の疲れの慰労を込めた上半身の神経経路を揉みほぐす「ひとりマッサージ」がありますが、これは運動法ではないので動作の解説は省略といたします。

補記:私の朝の心身統一式体操は、天風哲人の「プラナヤマ法の誦句」を聴きながら、活力吸収法からはじめ、ついで杉山彦一指導で「呼吸操錬」「統一式運動法」「積極体操」を実行しています。各動作に付随する観念は、杉山指導の録音から引用しました。
 この他に心身統一式体操を補強するため、柔軟体操の「真向法」と、腰と骨盤のストレッチ、腕の横ふり、前ふりの「甩手(ルビ=スワイショウ)」を取り入れています。さらに、クンバハカをより確かに決めるために、腹横筋など体幹深層部を鍛える「ドローイング」と、腕立て腹筋の「フロントブリッジ」で鍛えています。それに下半身を鍛える「スクワット」と、クンバハカを交えた散歩を心がけています。
 こうして深呼吸とクンバハカを実行することで、その日の体調が整えられてきます。クンバハカが気持ちよく決まる日は、一日を爽快に過ごすことができます。何となく体調が冴えないときは、いつもより少だけきつめのクンバハカ体勢をとることで体調が整います。
 こうした体操は理論で習得できませんので、実地に行かれて習うか、ビデオやユーチューブの動画を参考にするかして実習されることをおすすめします。
 以上が、天風式統一体操となります。

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このページは、三休が2019年5月26日 16:33に書いた記事です。

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