04. 積極思考について

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 積極思考について

 前回の教義で「我が生命は大宇宙の生命とつながっている」ということを、自覚する大切さをお教えいただきました。
 では、その偉大なる大宇宙の力を、どのように引き出して私の中へ導入したらよいのでしょうか?

 前の講義で「大宇宙はすごい力と、すばらしい叡智を、法則的に使いながら、絶妙な創造活動をし、進化と向上を押し進め、一切を大調和あらしめようとしている」と説明しました。この大宇宙の力と叡智は、進化と向上を押し進めるために停滞をしてはならないということです。
 停滞してしまうと進化と向上の実現ができません。例えばどんなによい高速道路があるとしても、故障車やのろのろ運転の車があれば、どんなによい高速道路やすばらしい車でも意味をなさないのと同じことです。
 そこで宇宙の根源主体は停滞をふせぐためにいかなる手段をとるかといいますと、メタポリズム(新陳代謝)を行います。新しいものが古く停滞したものにとって代わり、よりスピーディーによりよく進行させる働きをします。皮膚は28日で入れ代わりますし、赤血球は80日で分解されて新しいものに変わりますから我々は若くいられるわけです。
 大宇宙は新しい素材を結合させて、建設する「生」の活動から、それが古くなると元の要素に分解し還元する「滅」の働きをしています。この「結合と建設、分解と還元」の生滅の働きが、すべての現象界を支配しています。
 樹木は春になると芽がでて葉となり、葉は空気中の炭酸ガスと水と太陽エネルギーを取り込んで光合成をしてデンプンを造り、花を咲かせ、実を実らせ、秋になって働きを終えた葉は、枝の方に栄養を戻してパラパラと散り行き元の要素である炭酸ガスと水に還元され、そしてまた水は吸い上げられ、炭酸ガスも葉に吸い上げられて行きます。
 こうしたことを繰り返しながら、樹木は、活きて、活きて、生き抜いて行きます。ですから芽が出るのも、芽でたい生の働きであり、葉がパラパラ散るのも生滅の生命の働きであります。
 「楠千年 ふたたび今日の 若葉かな」です。
 我々人間もこの生滅の大法則のなかで生かされています。卵子の中で一つの細胞が受精すると細胞分裂がドンドンと始まり、オギャーと生まれた時には2兆個の細胞体に成っています。やがて、少年少女、青年男女、そして働き盛り、70、80歳になって老化し、90、100歳になったらほとんどの人は滅して逝きます。生命はこういう形で働いて行き、まさにトラック・リレーのごとくランナーを代えながら、常にスピーディーな状態を維持しようとしています。
 ですから我々はできるだけ結合と建設を、我が生命に取り入れて活きればよいわけでして、やがて80、90歳になって、分解と還元の働きが来たら、その時には「どうも」とお礼を言って、「みなさん、お先に失礼」と、死んで逝けばよいのです。
 「吉野山 ころんでもまた 花のなか」です。

 生まれて来るのも大いなる生命の働きだし、死なせていただくのも大いなる生命の働きです。
「生まれるのも有り難きかな、また、死ぬのも有り難きかな」、これがわかれば人生観も確立するし仏教も卒業です。


 結合と建設、分解と還元の宇宙の二大法則は理解できました。
 では、よりよく活きるためにどのようにして結合と建設を、私の生命に導入して行けばよいのでしょうか?

 その質問は重大な悟りとなります。真理瞑想は天風先生が命がけで捉えた悟りでして、あなたがたは幸いにもその悟りを涼しい所に坐ったままで体得できるのですから、しつかり真理を掴んでください。
 
さて、これから人間の問題に入ります。大宇宙の働きを我が生命に導入する方法は、先ず第一に思考する機能にあります。いずれを思考するかでこれが分かれます。我々は結合と還元だけを導入すればよいわけです。
 人生において思考することがいかに重要であるか、思考作用は人間を他の動物から断然と引き離すものです。思考は物理的な空間や時間を瞬時に越えてしまう偉大なものです。この思考作用をうまく使わねばなりません。

 その思考作用と大宇宙はどのような関係があるのですか?

 大宇宙の生命と我が生命はつながっている。そして我が生命は心が主宰しています。
 心は思考が顕著な働きでありますから思考は宇宙霊とつながっている事になります。
 だから宇宙霊と思考作用とを、確実に結びつけているのは、我が心となります。


 思考作用とはどのような働きをするのですか?

 それがとても大切なところです。
 天風先生は「思考は鋳型のようなものである」と言われています。すなわち、すべての事柄の根本に思考の鋳型があり、そして宇宙霊の働きは私たちが心で思う鋳型の通りの働きます。
 
積極的に考えれば積極的なことが、消極的に考えれば消極的なことが実現してきます。積極思考を行えば結合と建設の働きが、ドンドン自分の中に流れ込んでくるし、消極思考で行えば分解と還元の働きが、ドンドン自分の中に流れ込んでくるわけです。
 
ですから我々は活きてるかぎり、積極的な心をもって結合と建設の働きをドンドン自分の中にとり入れて行けばよいのです。心はけして悩みや悲しみのために使うものでありません。「心は心配するためにあるのでない。心は進化と向上を実現するためにあるのだ」と、天風先生は明確に言い切っていました。
 ピラミッドにしても、万里の長城にしても、風の吹きだまりで出来たのでなく、人が創ろうと思って造ったものです。そこには心の働きがあります。幸福も、健康も、仕事での成功も思考の働きがすべて鋳型となります。
 生産は手先が造り、創造は心が創ります。思考はその想像する力をもち、それを具体化させるのが学問であり、法則であり、技術であります。すべての創造の根源に思考の作用が存在します。
 私は駄目だと思う者は、その通りに駄目になり良くなるわけなく、心に失敗を描いていて成功などあり得ない。一方、私は幸福だと思っている人は、その通り幸福になり、そういう思考の人は幸福を創りだすということですね?

 そういう事です。どんなに悲しくても、嬉しくても、あなたの人生はそこにしかありません。
 たった一度の人生ですから、どんなことがあっても積極的に活きることが大切です。思考の因があるから実現の果があるわけで、これは宇宙の「因果法則」です。
 しかし、残念なことに多くの人はそのことが解らないから、未だに消極的な思考だけで活きています。我々は、何時でも、どこでも積極的な思考をもって活きるべきです。これは偉大なる真理です。

 
 積極的思考を鮮やかに明確に描くことで、運命もよりよくする原動力になるわけですね。
 では、どんな思考作用をして行けばよいのでしょうか?

 それには「思考作用の誦句」があります。では誦句します: 
  「思考作用の誦句」
   
   われは今 宇宙霊の中にいる。
   
われは今 霊智の力とともにいる。
   
そもそも 宇宙霊なるものこそは、万物の一切をよりよく作りかえることに、
   
常に公平なる態度をとる
   
そして 人間の正しい心、勇気ある心、
   
明るい心という 積極的の心で思考した事柄のみ、
   
その建設的な全能の力を注ぎかける。
   
然りしこうして かくの如くにして 
   
力を受け入れしものこそは また まさしく
   
力そのものに なり得るのである

 もう私は一人でいても寂しくない。
 「不孤」(孤ならず)。天風哲理は宗教でないが、宗教的な焼きつくような信念を教えています。

 「同行二人」、私は宇宙霊とともにあり。私は積極的な思考を通じて、大宇宙の根源主体とともにあり。
 ここに宇宙的な悟りが確立するとになる。正しい人生の活き方であります。人間としての根本的な態度であります。

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