プラナヤマ法

 クンバハカは身体を通して体得してゆくものですから、ここで何度も理論を書き連ねても始まりませんが、大切な事ですので2月のエッセー「完全呼吸(プラナヤマ法)」の補填をしておきたく思います。と、言いますのは天風会員の方から2月のエッセーを読んで一点疑問に思ったことがあると指摘をいただきました;

 「エッセーでは『意識的に腹を凹ませて腹圧を高め、収縮させながら肛門をグッと締める』とありますが、真人生の探究では『注意したいことは、最初の間は肛門を締めて下腹部に力を充実せしめようとすると、反対に下腹が凹む人がある、そういう人は、腹の方から先に力を入れて膨らして後、静かに肛門を締めるということを行ってみることである』とあります。エッセーの説明とこの説明との整合をどのように考えたらよいのか疑問を感じた次第です」とありました。

 この方はクンバハカを熱心に取り組んでおられるようでして質問が的を射ています。私も長いあいだ同じような疑問を持ってきました私は「腹に力を入れて膨らした」ままでクンバハカはできないと思いますので、ここは「腹に力を入れて脹ら(腹圧維持)したまま」と解釈してます。が、正直のところいまだに確証できずに探究課題となっています。
 2月のエッセーにも書きましたが、私の場合はドローインの腹式呼吸で下腹のたるみ引き締め腹圧を維持することで、クンバハカがより容易に確かなものになった体感からきています。クンバハカ体勢は肛門と下腹が瞬時同起で一対になっていますので、どちらが先かということでありませんが、ドローインによって精度の高い腹圧維持ができ、クンバハカを補佐するようになりました。しかし、これは私の長年にわたるクンバハカ実績の上に補強されたものかと思います。
 やはりクンバハカを実行して行くには、先ず肛門に意識を集中しきちんと締めあげ、下腹部の腹圧を高め、肩の力を抜く方法がよいかと思います;
 *肛門を締めてすくいあげ
 *下腹(丹田)に気をこめ、
 *肩の力を抜いておろす、この三位を瞬時に行う。
 先ずこの天風方式を基本とし、それを補強する形でドローインによる腹式呼吸で腹横筋や腹斜筋など体幹深層部を鍛えてクンバハカをより確かなものにしてゆく方法です。そうしますと不意に外界から衝撃を受けた時にも、とっさに肛門がしまり丹田への腹圧制御ができ、絶対クンバハカの体勢に入れるようになってきます。
 そんなことでしてクンバハカの実践と並行させて呼吸操錬(プラナヤマ法)の実行をお薦めする次第です。また、クンバハカで自律神経の交感神経と副交感神経を心地よくバランスとって行く際にも、ドローイングよる腹式呼吸が補助的な役割をしていると考えています。そしてこのバランスの心地よさが安定打坐の鎮心につながって行くのかと思っています(安定打坐ついては後日に書いてゆきたく考えています)。


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このページは、三休が2014年3月 1日 09:14に書いた記事です。

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