頭の軸(スカイフック)

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7:10.jpeg 天風式心身統一法の「身」の錬身法に、「呼吸操錬」「統一体操」
「積極体操」「養動法」「一人マッサージ」があります。
 先ずその基本をおさえた後に、なお補足する必要があれば、それぞれが自分の目的別に身体と体力に合った錬身法を組み立てて行けばよいと考えています。
 私は補足として、「真っ向法」「スクワッド」「フロントブリッジ」「ドローイング」「大華輪」を、取り入れています。今回は「大華輪」について書きすすめます。
 「大華輪」は西野流呼吸法から採用しました。両足を肩幅に開き膝を緩めて火消しのまといを回すように身体を左右にねじり、ねじった時に遠い方の足の踵をみる方法です。西野氏は空き時間があると「大華輪」を、準備運動のようにやっていた事にヒントを得て実行してきました。しかし、なぜ西野氏がそれほど重視したのかを理解できずにいました。
 5月に同じニュージャジー州に住む合気道をたしなむ天風会員に質問しますと「頭の軸を動かさない」として、以下の回答をもらいました;「太極拳では、腕振り運動のことを『甩手』(スワイショウ)と書きます。足は肩幅ほどで平行に開き、膝は爪先を出ない程度に軽く曲げ、ぶらり腕を垂らします。舌を上顎歯茎内側に付け、腰の動きに腕がぶらりぶらりと紐のようについてくる感じです。首は左右に回りますがぶれず、腕と手が体に当たるときに内蔵や腰に軽い刺激を与えます。でんでん太鼓のような一見簡単な運動ですが、背腹を叩く軽い刺戟が良いようです。弛緩と緊張の回転運動を交えて行う感じで、できれば笑顔をつくるようにとのことでした」。
 太極拳だからと思いますが、スワイショウ「甩手」は、中国語で腕の横ふりのことで、子供がよくやるヤダヤダというしぐさです。私は彼から「頭の軸を動かさない」と聴いた時に、以前に読んだ「能に学ぶ和の呼吸法」(安田登能楽師著・祥伝社)にあった上の写真が目に浮かんできました。
 即刻に本棚の奥から引き出して見開きますと、「スカイフック」と称して「軸を感じて大地にすっくと立つ姿勢を覚える」「頭の上にフックがついていて、それを天から吊られている姿をイメージする」と、ありました。この姿勢で立つと頭頂から足の裏につながる軸を感じられるようになり、体の真ん中を通る芯として軸にして下への力と上に伸びる力の真ん中に丹田をあるのが感じられます。なお「スカイフック」の姿勢をうまくイメージできない場合は、舌で頭部を持ち上げるつもりで、舌を上あごに付け、上に向かって押し付けるとふっと浮いたような感じを得ることができます。
 これはまさにクンバハカにも通じるもので、特に初心者向けクンバハカ法の練習によいと思います。また「養動法」の時時に、頭を軸にして「の」の字を描きますとよく決まります。
 以上のような事で長年やってきた「大華輪」を、頭がぶれないように改善しました。頭の軸をぶらさず「スワイショウ」方式に変え、火消しのまといを回すように身体を左右にねじった時に遠い方の足の踵を見る部分をカットしました。
(注:本サイトでの名称は「スワイショウ」に変えずに「大華輪」にしておきました)。

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このページは、三休が2016年7月11日 09:25に書いた記事です。

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