人体は水中で生活している

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 10月8日の天風メルマガは飲水についてでした。
『肉体組織の必要とする貴重なる体液である唾液、胃液、リンパ液などはいずれも水分から作られる。従って水なくしては、消化作用も同化作用も、その他一切の機能の活動が不可能になる。だから、正常な組織の中には常に多量の水がある。従って、あらゆる組織は水中で生活しているという生理学上の見方はまさに絶対の真理である』。
 天風師は飲水についてあまり多く語っていません。ですから私は水に関する「練身抄」第9章にそれほどの注意を払わずに30年近く読み流していました。
 ここで天風の飲水法に関して書き加えておきます。
 天風哲理の健康法の中の一つに飲水法があります。飲水法は天風哲人がヨーガの里で実行し、後に医学的見地から実証したものです。
 ヨーガでは古から「水は神の力が籠れる命の霊液」として摂取してきました。就眠の直前に一杯の水を飲み、朝起きると直ちに1、2杯を飲み、毎朝の洗顔よりも重大な行事として続けています。さらに、毎食一時間または30分ごとに1、2杯の水を口に入れていたと観察していました。「肉体組織の必要とする貴重なる体液である、唾液、胃液、リンパ液などはいずれ水分から作られる。従って水なくしては、消化作用も同化作用も、その他一切の機能の活動が不可能になる。だから、正常な組織の中には常に多量の水がある。従って、あらゆる組織は水中で生活しているという生理学上の見方はまさに絶対の理である。従って、生命を確保する仕事を行うに必要とする水を飲むことである」と説いていました。
 水を飲むことは健康維持に必要かつ有効で、水分の欠乏を招くと血液が濃厚になり、血管内の沈殿物を多くさせ、結果として健康を害すため、血液を常に純潔にしておくためにも水が必要になります。
 水の働きで血液の流れをよくし、全身に栄養素や代謝物を運ぶことによって生命機能を維持しています。体内で多くのカロリーが燃焼される発熱効果もあり、常に水が体外へ排泄されています。ですから健康を維持するためには失われる水分を補充する必要があります。
 口から入った水は胃腸へと吸収され、生命維持に重要な部分に供給されていきます。特に脳の85%は水分で約1千億の神経細胞が密集し、血液の約2割を消費しますので最優先に脳へ供給されて行きます。脳は睡眠中でも休まず活動し、体内の各部や外界からの情報処理を一手に引き受けていますので、膨大なエネルギーを必要とし水の補給が欠かせないものになっています。
 普通の人は1日に約2千3百ミリリットルの水分を排出しているので、失われた水の量だけ間断なく水の補給が必要となります。1日の排出量に比して平均補給は、食事から600ミリリットル、代謝燃料水が200ミリリットルになりますので、飲水からの補給量は1千5百ミリリットルですから、500ミリリットルのペットボトルで3本が必要な目安になります。
 しかし、多くの人が水補給の大切さを知らずに慢性的水不足となっています。しかも喉の渇きを感じるときはすでに体内に水が不足していますので、たえず水の補給が必要になってきます。水が体内を満たして血液を浄化させていくと、きれいなオーラが放射されてきます。健康は日頃の努力の積み重ねといったところでしょう。
 天風哲人は水の中には強力なエネルギーがあるから、飲むときに積極的な観念の暗示を行えば、より一層の効果があるとすすめています。こうした教示は医学的見地からみてもまったく遜色がありません。むしろ70年も前から奨励していた智慧に頭の下がる思いです。
 ここで私の主張になりますが、天風哲理の教義「クンバハカ法」「天風打坐法」「心の積極化法」「心身統一体操」と同列に「飲水法」を、もっと前面に押し出して教示したらいかがなものかと考えています。朝の行修のときに脳が水不足の状態ですと、目覚めも悪く、動作に敏捷性を欠き、効果的でありません。行修の前に水補給をして、血のめぐりやホルモンやリンパ腺の流れを活発化させてから行修に入ることをおすすめします。クンバハカや積極心だけでは水の補給ができないためです。ここはやはり瑞々しいスッキリした気持ちで行修したほうがより効果的になります。飲水法は天風哲理を体内から下支えする地下水脈をなしています。
 天風打坐で霊性心と宇宙霊を一体化させ、飲水法で肉体の細胞液と宇宙の霊液を共生させることで、心身統一法がより深く確かなものになって行くことでしょう。

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このページは、三休が2019年10月 8日 23:53に書いた記事です。

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