W杯ドイツ優勝(2)

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 欧州サッカー連盟に所属する53チームが、W杯代表の予選を2年間かけて競い合い13チームが勝ち進んできました。そしてW杯の頂点を極めたのがドイツでした。頂上まで長い裾野の道程でした。各チームのユニホームが違うように選手のスタイルやカラーも違っていましたし、監督やサポーターにも違いがみられ、欧州の多様性をそのままに映しだした祭典でした。
 ヨーロッパは地理的に日本から遠いこともあり、我々には各国の民族性や多様性がよくわかりません。特に欧州連合(European Union)が発足してからは、単一の欧州として一緒くたんのEUという幻想を抱いてきました。しかし、EUのUnion は「連合」でなく「同盟」と訳した方がより現実に近いかと思います。つまりEUは政治経済の「一体性」ですが、伝統文化に関しては「多様性」となります。文化を一体化にするなど所詮無理な話しです。
 W杯を観戦しながらふと考えたのですが、日本の戦前と戦後の指導者や知識人との大きな違いは、戦前は西洋文化の知性を基盤とし、戦後は西洋文化を継木した欧米文化をアメリカナイズしてきたことです。日本の近代化は、戦前は西洋化であり、戦後はアメリカ化でした。俗に言ってしまえば英語から米語へ推移し、サッカー文化と野球文化の違いです。どちらがよいという選択の問題でありませんが、全世界が多極化に向かい、政治や経済力だけでなく文化力が重要になっているこの時期に、しばらく置き去りにしてきた西洋文化の知性を復習してみたらどうかと考えました。日本が脱東亜して太平洋に開かれた文化国家を創造してゆく際に、西洋近代文化の叡智からたくさんのインスピレーションを得られるかと思います。

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このページは、三休が2014年7月19日 01:53に書いた記事です。

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