今週末は特にやることもなく、朝の運動をすませ朝食した後に昼まで二度寝でした。この爆睡があるから翌週も頑張れる。ランチは錦織圭選手の快挙にあやかり、ユニクロのパジャマのまま日清食品の「こんぶ天ぷらうどん」、これで私もインスタントに彼のスポンサー気分です(この軽薄便乗のところが私らしく素直でよろしい)。
久しぶりに日清の即席麺、上ブタをはがすと下が湯切りブタになっていまして、この小さな工夫に大きく感動です。商品開発にたずさわる者にとり、小さな改善までにどれほどの心血を注いだかがわかり心を打つのです。たゆまぬ努力と前進さすが錦織選手のスポンサーです(こんな事に感動できるのも週末で暇だからかな)。
さて、週末雑感「風が吹けば桶屋がもうかる」論ですが、朝日新聞の目を覆うばかりの凋落は社会現象として捉えて行く方がわかりやすい。私はこれを以前から「百田尚樹現象」と名付けいますが、彼個人ではなく著書「永遠のゼロ」が400万部近く刷られた現象です。彼がNHK経営委員になり、また朝日新聞を熾烈に批判するのは、戦後のパラダイムがシフトされる時になったと捉えています。朝日新聞に宿敵のように叩かれた安倍晋三氏が首相に還り咲いたのも同列現象です。もうこの流れは止まらないでしょう。
戦中派の政治指導者でなく、戦後に育った60年安保「されど我らが日々」の世代のリーダー、小沢一郎、小泉一郎、加藤紘一、河野洋平、細川護煕、民主党の面々それに朝日新聞の論客など軒並み戦後体制に毒されていて信用できませんでした。ついで70年安保の団塊の世代が、彼らを越えて戦後体制から脱却して行くことを期待したが、この世代も「されどまた我らが日々」で、戦後体制のかなで去勢され塩漬けされた青菜のようで、気がつけば自分らこそ戦後体制の体現者そのもので、脱却されるべき対象になっていました。民主党の低落から打倒すべきものが我々自身であった事実に気ずかされた時には大きな衝撃でした。
こうした戦後のパラダイムがシフトして行く時、朝日新聞が直面している問題は団塊世代の問題でもありました。古い観念を捨てさり自己を改造し新しいパラダイムに移行することは大変困難がともなう作業ですが、これが団塊世代に残された最後の良心的な責務になったようです。
戦後70年、日本はここにきてやっと世界をリードする新しいパラダイムの構築が始まりました。さぁ団塊世代もう一仕事です。
私の中国の友人に文化大革命から生き残った画家がいます。彼は反動知識人として農村に下放され、妻は瞬時に白髪となりました。その彼に「あなたはなぜ文革を生き抜けたのですか」と聞いたことがあります。彼は「人の足を引っ張った人や、密告した人は、みな人から足を引っ張られ、密告されて消えて逝きました。私はそれをしなかったからです」と答えました。私はそれ以来、「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」で、彼の言葉を人生の教訓としています。
さて、朝日新聞にとり「吉田」は鬼門のようです。今日になってやっと木村社長ら役員が謝罪会見しました(不本意ながら謝罪まで追い込まれた)。「吉田調書」の「所員の9割が所長命令に違反して撤退した」との記事を、誤報と認め取り消しを発表。命をがけで存亡の危機と戦った人たちの尊厳を冒涜した記事でした。また、従軍慰安婦問題報道で謝罪しなかったことも「謙虚であるべきだった。反省している」と発表。これも日本国民の尊厳をいちじるしく冒涜したものです。こうした事は詰まるところ朝日の人間愛と国に対する愛の希薄性からきています。
当然の謝罪会見でしたが、木村ご一行は貧乏くじを引いたものです。本来は後ろ足で砂をかけて逃げ去った団塊世代の朝日役員が謝罪すべきが筋です。安倍内閣打倒は「社是」とまで公言した元朝日新聞論説主幹の若宮敬文などその筆頭になります。彼はいま退職して韓国の東西大学教授、国立ソウル大学日本研究所研究員に天下っています(もう見え見え)。それに「強制従軍慰安婦」をねつ造した確信犯の植村隆、彼は早期退職で逃げた後に、北海道の北星学園大学の講師となり、また名古屋の某大学の教授に招かれたが、さすがにこちらはキャンセルとなりました。こういうOB連中が謝罪すべきものです。私が人様に反省を強いる権利はありませんが、彼らの責務として自省を願いたいです。
人間の意識とはすごいもので、朝日新聞の確信誤報の後に、「朝日(アサヒ)」と言えなくなり、無意識にも「朝日(チョウニチ)新聞」とよんでしまい「あれ日本にチョウニチ新聞ってあったけ」と思い、「あ、アサヒ新聞か」とよみ直しています。朝日は謝罪会見で抜本的な改革をすると言っていますので、信頼回復のために是非そう願いたい。根深い資質の問題ですが、事ここまで至ったら団塊世代のOBを一掃し、左右思想に偏りのない良識のあるリアリスト、例えば曾野綾子さんのような目線のしっかりした方を、社外役員に招くことから始まると思います。崖っ縁の朝日に実のある抜本的改革と再生を期待したいものです。