南普陀寺

| コメント(0)
DSCN3307.jpeg

 アモイの地元民が常連としている「佳味再添小吃店」で、福建風味を満喫した後、この通りに隣接する「台湾小吃街」を参観し小吃(軽食)の梯子です。私は中国で臭豆腐を食べないことにしたので、もう一つの好物である「オアミサ」(カキ米線)をさがしました。オアミサは細いライスヌードルを粥状に煮詰めて小さなカキを具にし香菜を上に乗せた小吃でして、やはりここにもありましたが、あいにくランチの時刻を過ぎていたため売り切れになり30分待ちとの事でした。
 待ち時間を利用して歩行者天国「中山路歩行街」を散策してから(さしたる見る店もない)、台湾小吃街に戻り「オアミサ」を注文。13元と当地としては割高でした。旅先なので生ガキを敬遠して米線粥だけ食べたが、やはり台湾風味そのままの滋味でした。

DSCN3313.jpeg 食べ歩いてばかりでも行けませんので観光です。タクシーに乗り魯迅が5ヶ月教鞭をとったという廈門大学の前を通過して南普陀寺へ移動。
 南普陀寺は唐の時代から存し、現在の大伽藍は建立されたのは清朝の時代とされています。アモイ島で唯一のお寺であるばかりでなく、福建省ひいては全国的にも有名なお寺となってます。
広大な敷地に天王殿、大雄宝殿、大悲殿、蔵経閣といずれも立派な堂塔伽藍で構成されています。大悲殿は1930年に再建され三重の屋根がそれぞれ上空へ向かってそり返った絢爛豪華な造りとなっており、なかに千手千眼観音菩薩像が安置されていました。
 これは余談ですが、お寺で販売している精進饅頭がとても美味しと評判で名物土産になっています。参拝客が先を争うように買っていましたが、なにせ昼食をすませた直後で食指が沸かず惜しい事をしました。
 
南普陀寺はアモイで第2の観光スポットだけのことがあり、門前には観光バスが10台ほど駐車し、団体旅行客で賑わっていました。このお寺は有名なのに拝観料が不要でして、私は中国で入場料をとらないお寺はここが初めてでした。
 天王殿をくぐると敷地内には、中国各地から来た旅行団体や台湾からやって来た団体客で混雑し、騒々しくとても参拝の気分になれませんでした。仕方なく暫く立ち止り、どこから来た旅行団体なのかと見物していましたら、面白い識別法に気づきました。台湾から来た旅行団体は、お歳寄りから若い人まで伽藍
の前にひざまずいて拝跪したり、立ったまま合掌して参拝してましたが、中国国内からの旅行団体は、何もせずにただ見物し写真を撮って通り過ぎて行くだけでした。彼らにとり南普陀寺は参拝の対象でなく一つの観光地に過ぎないわけです。全部の人がそうでないと思いますが(そう思いたい)、この信仰心の欠落、祈る心の喪失は、文化大革命が残した深い心の傷跡なのだろう。目下この国は文明社会を目ざしているわけだが、こんな心の余裕なさでは豊かな文明など築けるわけがない。

コメントする

月別 アーカイブ

この記事について

このページは、三休が2012年3月 5日 06:51に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「民以食為天」です。

次の記事は「ピアノソナタ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。