河豚戴天

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 パスポートを忘れて出国できなかったニュースを目にして、なんて粗忽な人もいるものだと思っていましたが、まさか自分がその粗忽者になるとは、トホホでした。
 17日に最終便で上海行きを予定していたが、京成上野駅でパスポートを群馬の実家に忘れてきたことに気がついた時には、もう間に合わない。慌ててフライトをキャンセルし、翌朝一番の便に変更して一泊でとんぼ返りしてきた。それでも予定通り三件の用事を済ませたのだから、上海は1泊出張でも事足りるようだ。
 月曜日の第一便ということもありフライトは満席、日中関係が緊張しその上ひどい大気汚染の時期にもめげず、ジャパニーズ・ビジネスマンもたくましいものだと感心。
 羽田から虹橋飛行場に入り、そのまま知人のお墓参りをすませた後、上海で活躍している若き駐在員と近況の情報交換。
 彼と会うのは3ヶ月ぶりなのだが、この厳しい時期にどう過ごしているのか気になり、激励かたがた会食してきた。やはり彼も2月の大気汚染の時に、顏から喉と首の周りにかけて赤い発疹がでたようです。大変なことです。

 帰りは大学出というインテリ・ドライバーのタクシーで(さすが安全運転)市内のホテルから浦東飛行場に向かい、黄浦大橋にさしかかり、私が黄浦江と河沿いの上海万博の跡地を眺めていたら、いきなり「この上流で豚の死骸が1万頭も流れてきて回収された事を知っているか」と切りだし、私がおとぼけ風に頷いていたら、彼は「上海市の飲用水の水質に影響ないと言うが、わかったものでない。子豚に抗生物質や化学薬品を濫用しているので、たぶん毒だらけの豚だと思う。彼らは商業道徳がなく、自分さえ良ければ、他人はどなってもいいという考えで、これは河の汚染だけでなく、心が汚染しているのだ」と、さすがインテリ歯切れがいい。私は彼を上海での専属タクシーに決めて来た。
 魚も棲めない河に豚が泳いでいるとは、まさに「河豚」戴天だ。DSCN1709.jpeg         (黄浦江と上海万博の跡地)

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このページは、三休が2013年3月23日 03:26に書いた記事です。

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