LEDと和紙

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PM-316B-2T.jpg 今年はミケランジェロの没後450年にあたり新しい照明で祝いたいと、ローマ法王庁バチカンはミケランジェロの傑作「最後の審判」の壁画で知られるシスティーナ礼拝堂の照明設備を、発光ダイオードのLEDに切り代えたと公開しました。
 礼拝堂に約7000個のLEDが点灯すると、天井画や壁画の色彩が鮮やかに浮かび上がったといいます。熱を帯びないLED照明により16世紀に描かれたフレスコ画の保護が目的ですが、この新旧のコントラストを想い浮かべるだけでも素晴らしい。是非とも再訪したいものです。
 LEDは熱を帯びないことで省エネになり、超寿命ですから電球の取り換えが少なくメンテネンスでも経費節減になります。しかし、電球に熱を帯びないことでどうしても光が冷たく月光の感じになってしまいます。それに光の放射が直線になるので目を刺激してしまいます。LEDは日々改善しているとはいえこれが弱みでして、私たちも商品開発の時に頭を悩ませました。試行錯誤の後に私等は障子越しに入ってくる朝の光からヒントを得て、和紙を媒介することで、光を拡散させてやさしく和らげる工夫をして「禅ライト」の名称で市場に導入しました。「ZEN」とは奇をてらったネーミングでしたが、おかげさまで好評を得ています。
 先日のニュースで、
和紙とその手すき技術がユネスコの無形文化遺産に登録される見通しとなったとありました。和紙は西洋紙に対して、光線をはね返し柔らかい初雪の面のやうに、ふつくらと光線を吸ひ取る」ことが登録の理由になりました。
 私たちもLED
照明の商品開発から和紙を合流させたことを、密かに誇りとしたいところです。文化は生きていまして想像し創造して行くものようです。
 10月はLEDのノーベル賞受賞と和紙の無形文化遺産登録のよいニュースでした。11月もよい月にして行きましょう。

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このページは、三休が2014年10月31日 19:16に書いた記事です。

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