新・台湾の主張

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51Vhj9Dx9uL._AA324_PIkin4,BottomRight,-62,22_AA346_SH20_OU09_.jpg 当地はまだ雪景色ですが、今日から夏時間で日本との時差13時間。

 李登輝元台湾総統の近著「新・台湾の主張」を拝読しました。著書というより日本人に向けた愛のメッセージです。「日本人よ、本来の日本を取り戻しアジアのリーダーたれ」という熱き想いで綴られています。
 台湾の民主化に大きく貢献した李元総統は92歳になりますが、今でも強い信仰と信念から偉大なる愛を放射しています。台湾では国宝級の方でしてノーベル平和賞にもっとも相応しいのですが、お隣との政治的な要因で難しいようです。日本が推薦運動すればよいのですが、なんの動きもなく歯痒さを感じてしまう。でしたら外国人に与える
大勲位菊花大綬章を、これもお隣に遠慮して無理でしょう。司馬遼太郎氏はこんな歴史のつれなさを「台湾人に生まれた悲哀」と言っていましたが、李氏は「悲哀から抜け出すことは、過去を忘れることではない。われわれは恩(感謝)を感じる心によって、自らの存在をより大切にし、積極的に未来と向き合わねばならない」と主張しています。
 著書の冒頭は「KANO」の上映のあと泣いていたことから始まります。また昨年、台湾の学生たちがヒマワリ運動で
立法院を占拠して立て籠った時に、院内で「KANO」が特別上映されたそうで、上映後に学生たちは「台湾加油(がんばれ)」と声をあげて奮闘を誓い合ったことを、この著書で初めて知りました。 
 ここからは李氏の主張をそのまま書くことにします:「台湾が台湾として『存在』することこそが重要だ」、「民主台湾の存在こそ、アジアの未来を照らすものだ」、「そのためには、改めて台湾という『我』を問い直し、自分たちの運命を自分たちが決めてゆくという心構えと備えが必要だ。将棋にたとえれば(意志のない)たんなる駒にならず、(意志のある)指し手になるという姿勢がなければ、巨大な中国を前にして台湾の活路はけして拓けない」。
 ついで「繰り返し強調するが、台湾は日本の生命線である」、「日台両国は人権と平和を重視する価値観を共有するアジアでもっとも民主的な国家である。また両国はともに海洋国家であり、シーレーンなど多くの利害が一致している。日台両国は一緒になってアジアの安定と平和を守る必要と義務がある」。

 こうした「親日」いや「愛日」の友人が存在してくれることに感謝したい気持ちです。

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このページは、三休が2015年3月 8日 20:15に書いた記事です。

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