傾国・曲がり角に立つ中国

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11.JPG 曲がり角に立つ中国はこれからどこに行くのだろう。
 考えられる道の
一つ目は、「冷たい平和」でアメリカと対立する道。
 中国が富国強兵で軍事を急速に増強してアメリカに対抗する道で、かつてソ連が対立を続けた果てに息切れして解体したケース。

 二つ目は、中国の妄想として、アングロ・アメリカン世界の旧覇権国に対し、新興覇権国が報復挑戦する「中華帝国復興の夢」です。
 これは大日本帝国が大東亜共栄圏に挑戦して挫折したケースでもあります。
 三つめは、軍部や強硬派を抑えられずに暴走し、台湾を制圧、沖縄、海洋諸島を侵略の道です。
 この延長戦にはアメリカと武力衝突が不可避となり圧倒的な武力の前に中国が解体するケース。
 四つめは、日本にとり悪夢ですが、アメリカの衰退を横目に中国が強靭に戦い、アメリカをアジアから撤退させ、太平洋の東側に追いやり、中国が西太平洋の覇権を握り海洋を二分する道。
 これは彼らが前から主張している太平洋は米中が二分するのに十分な空間があるという「新しい大国関係」となります。この可能性はおおいにありです。
これは中国のかなり本音でして、その際に日本は目の上のタンコブ。かつて李鵬元首相は日本などあと30年もすれば無くなるだろと放言しています。
 いずれもが武力による覇権争いになります。
 しかし、日本は現実がここに至ってもなお集団安保体制反対を叫んでいるのですから理解に苦しみます。ダチョウが地面に頭を突っ込む平和ボケを通り越し、国の未来に対し責任放棄です。

 鄧小平が1992年に市場経済を開放する時、先ず半世紀は黙って我慢して力を蓄えてから中華復興を考えろとしました。私も2020年頃まで「自強不息」に努めれば、あるいは中華復興の夢も可能性がでてくるとみていました。
 しかし、現政権が発足した2012年あたりから覇権の道が露骨にあらわれました。あと8年を待てずに牙を剥いてしまったことで、今日の曲がり角に来ています。後世の歴史家は2012年を「傾国」への兆しの年と記すかも知れません。

 そこで私が最近になり思いを強くしている予測の五つめは、中国4千年来の「禍福はあざなえる縄の如し」の道です。
 中国の奇跡の高度成長が30年続いてきたしわ寄せが、2012年の政権交代を境に一気に吹き出しました。経済の成長の減速とインフレ、目に余る汚職と権力闘争、倫理道徳の廃退、所得格差の拡大、社会不安と頻発する争議、迫り来る高齢化年金問題、チベット、イスラムウイグル族との軋轢、のっぴきならぬ環境汚染問題など、高度成長の裏で累積してきた諸問題が、抑えきれずにパンドラの箱を開けたかのように表面化してきました。
 中国はこうした諸問題で行き詰まり「傾国」の道をだどり解体しはじめると思います。そして後20年もしたら大陸にこもり脅威も薄れ普通の国になって行くのではないかという予測です。所詮14億の人口と広大な土地を、一つの政党で統治するのに無理があります。
 しかし、それまでは不断に中国の覇権を抑え込むことが必要になります。台湾は中国が民主国に変わるまで現状維持を必死に守って耐えています。日本も台湾のように中国が普通の国になるまでは「冷たい平和」を堅持して行く覚悟が必要になっています。
 「天は自ら助くる者を助く」です。

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このページは、三休が2015年8月12日 00:33に書いた記事です。

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