塩野七生のローマ

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813fd63CtbL.jpg スイス旅を終え、明朝7時30分にチューリヒ飛行場に向かう。
 旅先で読もうと塩野七生著「誰が国家を殺すのか」を、持って出たが、先ほどちょうど読み終えた。月刊「文藝春秋」を購読しなくなってから、久しく塩野女史を無沙汰していましたら、もう85歳になられていた。あの気丈な人でも歳を取るのですね。
 終章に「ローマでの大患」で、今年8月24日に自宅の室内で転がって脊髄系統を骨折して、手術と長いリハベリの入院生活をなさったとのことでした。「入院中の夢は、自宅に戻ることだった。退院後の夢は、日本に帰ることである。ただそれがいつ実現するかまでわからない。リハベリはいつか終るが、コロナ騒ぎがいつ落ち着くのか」と書いている。これにはホロリとさせられた。
 また「五十年昔の三十代が考えていたこと」で、「漱石、鴎外、荷風この三者とも、海外体験があることで共通している。海外体験者の日本回帰に、興味をそそられた」、「国際政治学者の高坂正堯の作品も読んでいる。文人と学者の違いがあっても、海外を体験した人の日本回帰、というならば同じなのだ」、彼らは文明の波と言ってよい歴史まで視野をひろげることは、現代の世界を捉える試みになり得る」、海外経験が文明的視野を鍛えるとしている。
 蛇足ですが、30年代の高坂正堯が安全保障研究グループで日米沖縄返還交渉で活躍した頃、私はまだ20代の学生としてこのグループのお手伝いをさせてもらいました。
 さて、私の日本回帰は。 (雲海)
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このページは、三休が2022年12月26日 03:54に書いた記事です。

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